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なるほど実用粉体技術ー用語解説

 

吉田工业科技编制

用語リスト

圧縮度

圧力損失 

安息角

かさ密度
硬さ
空気源
空気輸送
空隙率
形状係数

公差
固結
コンプレッサ
終末沈降速度
真密度
真密度測定-液浸法
真密度測定-気体加圧法
水分
精度設計

せん断特性 
ターボブロワ
比表面積
付着・凝集 
分級
粉体圧
粉体層の気体透過 
閉塞防止法-貯槽内の
偏析

摩耗
摩耗-粉体による
摩耗-粒子の
見かけ密度
粒子径
粒子径の分布 
ルーツブロワ

 

 

用語解説

 項目

 解説

 

 

圧縮度

  

タッピング、振動、加圧などによって粉体層の体積が減る程度を示す値です。単位は〔%〕または〔-〕。

 

 粉体のかさ密度の中で、できるだけ粗になるように測定した、「ゆるみかさ密度」がAであり、所定のタッピング等によって固められた時の「固めかさ密度」がPであるとき、圧縮度は(P-A)/Pで表されます。圧縮度が低いほど流動しやすいのが普通で、粉体の流動性の目安として用いられることがあります。かさべり度と呼ぶこともあり、粉体層の水平方向の断面積が一定の場合、高さが下がった割合に相当します。

 

 

 

圧力損失

 

流体が機械や配管内の流路を通過するときに生じる、単位時間、単位流量あたりのエネルギーの損失です。単位は〔Pa〕。 


単位(次元)は圧力と同じであり、ある流路の区間内の圧力損失は、その入口と出口での全圧の差です。全圧はその位置で流体が持つ静圧と動圧の和です。圧力損失は、狭い滑らかな流路を遅い速度で通過する層流状態では流体速度にほぼ比例し、広く速い乱流状態では流体速度のほぼ2乗に比例します。この関係はレイノルズ数によって知ることができます。人の血液循環系では、血管がコレステロールなどで狭くなると血液の流量を確保しようとして速度が上がり、高い圧力損失が発生します。これが高血圧で、血管を広げる、血液の粘度を下げるなどの対策が考えられています。

 

 

 

 

 安息角

 

粉体が堆積している状態で自由な表面が作りうる最大の傾斜角です。単位は〔°〕または〔rad〕。


よく知られているのは、一点から落下させて円錐状またはそれに近い形状ができるときに表れる注入角です。他に、粉体層を傾斜させたときにできる傾斜角、下部の孔から排出させたときにできる排出角などがあります。貯槽や装置に適用するための測定には、ある程度の斜面の長さが必要です。
吉田工业安息角は、その言葉のイメージに反して、決して安息できる状態ではなく、今にも崩れそうなぎりぎりの状態を表す、粉体にとってストレスの高い状態の角度なのです。

 

 

 

 

 かさ密度

 

粉体が層を作っているときの、その層の体積あたりの質量です。単位は〔kg/L〕。


同じ粉体でも、その状態すなわち主に加わる荷重によって異なる値になります。粉体層形成の条件を一定にして定義された、「ゆるみ(ゆるめ)かさ密度」、「固めかさ密度」などの用語が用いられます(R.L.Carr)。
実際の設備
装置で利用するには、その目的に合うような測定方法を用いることが望ましいのですが、それについての汎用的な指針はないので、場合に応じて測定方法を工夫する必要があります。
古くは見かけ密度という用語も併用されていましたが、これは、他の意味で使用されることが多く、現在では混同を避けるために、一般に使用されません。

  

 

 

 

 硬さ

 

外力によって圧縮あるいは引っ掻き作用が加わり変形させられたときの抵抗力またはその力の程度を表すものです。


粒子の硬さの判定には、サンプルを用いる半定量的方法、外力を加えられた結果を数値で示す定量的方法があります。前者では中学校の理科で教えるモース硬度が有名です。後者には多くの方法が提示されています。実際に用いられる硬さの測定法は多様で、一義に決めにくい難しさがあります。

 

 

 

 

 空気源

 

空気に仕事をさせるためにエネルギーを与える装置です。


粉体の操作に用いられる空気源は、コンプレッサ(100kPa以上)、ブロワ(10~100kPa)、ファン(10kPa以下)に分けられます(機械工学便覧)。コンプレッサ以外は、正圧、負圧の双方に用いられます。他に負圧専用の真空ポンプ、および特殊なものとして、圧縮空気を吹き出すことによって気体を吸引して負圧を発生させるエジェクタがあります。高圧輸送にはコンプレッサが用いられます。低圧空気輸送には容積式のルーツブロワ、リングブロワ(少風量)が多用されますが、比較的低い圧力の場合、遠心式のターボブロワも用いられます。用途ごとに望ましい流量特性があり、所要の風量と圧力が出ればよいというものではありません。

 

 

 

 

空気輸送

 

管中の空気の流れを利用して粉体を輸送することです。


5~50kPa程度の圧力で輸送する低圧輸送、100~700kPa程度で輸送する高圧輸送があり、また、負圧を用いる吸引輸送もあります。
この「空気輸送」という簡潔な呼び名は空気を送るのかと勘違いされそうですが、産業界で定着しています。他に気力輸送とも呼ばれます。操作を正確に表すなら、窒素などによる輸送も含めて、「気体力粉体輸送」、または「気体駆動型粉体輸送」ぐらいの呼称が妥当でしょうか。広義の空気輸送には、僅かに傾斜したシュートの底面から空気を流して粉体を移動させるエアスライドを含みます。

 

 

 

 

空隙率

 

粉体層内の空隙の体積が全体に占める割合です。単位は〔-〕または〔%〕。


空間率とも呼ばれます。数値を使用する目的によって、固体の内部に存在する空隙を含めるかどうかの差があります。変形しない等しい径の球を最密状態に充填した時の空間率はπ/√18(約0.25952)と言われます(ガウス)。粒子径に分布があればさらに小さい値もあり得ます。最密状態でない一般の粉体層では、外部から加わる圧力によって粉体層が圧密されると空隙率が下がります。異なる粉体層を比較するとき、この空隙率は粉体層の充填状態を示す客観的な指標として役立ちます。
岩石学では、多孔体の固体部分に対する孔隙の体積の割合として、孔隙率の用語が用いられます。
ふるい分けの分野では、ふるい網全体に対する空隙の面積の割合を示します。

 

 

 

 

 

形状係数

 

粒子の形状の複雑さを円または球に比べた数値として表したものです。単位は〔-〕。


長さの比で表す長短度(長径に対する短径の比)、扁平度、円形度、球形度、比表面積形状係数などがあります。
例えば、円形度には、粒子の投影面積に相当する円形粒子の直径である投影面積相当粒子径(
吉田工业科技Weywood の円相当径XH)の円周長さと、投影された周長さCの比で表す円形度πXH/Cがあります。
動力学的形状係数として、実際に作用する流体抵抗力とその粒子と同体積の球形粒子に作用する流体抵抗力の比率がありますが、これは主に層流域だけに適用され、乱流域では複雑なものになります。

 

 

 

公差

 

一般に寸法公差を意味し、基準となる寸法に対して許される誤差です。


製作上、誤差は必ず生じるため、設計製作図で公差を決めることは重要です。誤差を抑えるための経費とその必要度を勘案して決定され、製作品の場合、仕上がったものに対しては、その公差内に入っているか検査します。規格化された公差もありますが、公差の「公」には、公的という意味は必ずしもなく、一設計者が製作側に対して指示する、いわば私的なときにも用いられます。

 

 

 

 

固結

 

粉体層の粒子同士が固着することで結合し、単一粒子の集まりの状態には戻らなくなることです。


固結には次の2つがあります。一つは、高温状態で粒子が溶融した後に冷却して固化し、粒子間を結合させる焼結です。もう一つは水分(液分)に固体の粒子が溶け込んだあとに濃度が高まって晶析が発生し、その結晶体が粒子間を結合させるものです。後者のケースは吸湿しやすい粉体特に塩類の取り扱い中によく発生します。水分が増加する段階でなく、水分が減少して乾燥晶析を生じるときに発生し次第に強固になるため、水分即ち環境湿度の変動を極力抑えることが必要です。

 

 

 

 

コンプレッサ

 

圧縮比2以上の圧縮空気を発生する装置です。


粉体の高圧輸送にはこの圧縮空気が用いられます。コンプレッサは、古い時代の往復式からスクリュ式への移行が進み、騒音が大きく低下しています。また2段圧縮の途中で冷却するなどの工夫によって効率も向上しています。規模の大きな工場では、機械を数台設置し、需要に応じてシステム的に停止、運転を指令する台数制御が行われ、省エネルギー等に貢献しています。必要とする圧力が、コンプレッサの標準出力ほど高くない場合、最高圧力を制限して運転することで、消費動力を低減できます。

 

 

 

 

終末沈降速度

  

流体(気体または液体)中を粒子が落下する速度です。単位は〔m/s〕。


単に終末速度、沈降速度とも呼ばれます。粒子径の測定に用いられる原理の一つで、そのほか、粉体の空気輸送、流体分級などさまざまな現象の理論計算の基本となります。
100μm程度以下の粒子では、落下開始直後に流体の抵抗力と落下する力がバランスして一定の速度に達するので、実質的に最初からその速度であるとして扱われます。

 

 

 

 

 

真密度

 

その粉体の質量を固体の体積で割った値です。単位は〔kg/L〕。


定義は分かりやすいのですが、測るのは簡単ではありません。測定するには、液浸法と気体法があります。気体の方が液体よりも内部まで浸透しますが、いずれにしても粉体の内部に流体が届かない空間があると、正確な値は測定できません。この閉じた空間をそのままにして測定したときの値は一般に見かけ密度と呼ばれます。

 

 

 

 

真密度測定―

液浸法

 

粒子の真密度測定法のひとつで湿式の方法です。


まず、ピクノメータと呼ばれるガラス製の容器に、秤量した粉体と、温度に対する密度が分かっている液体(通常は水)を一緒に入れます。これを煮沸して粒子の内部または粒子間にある気体を追い出した後に、所定の温度にします。このときの質量と体積および粉体の質量から真密度を算出します。この場合、粉体が液体に溶けるか、逆に吸水してしまうと誤差が出ます。また、気体が完全には追い出されない場合も誤差が出ます。

 

 

 

真密度測定―

気体加圧法

 

粒子の真密度測定法のひとつで、乾式の方法です。


一例を示します。二つの密閉できる小さな部屋を用意し、片方に粉体を入れ、同じ圧力になるように監視しながら、それぞれの部屋にピストンで圧力を加えていきます。粉体のある方はその体積の分だけピストンが進まないので、体積が分かります。粉体がその気体を吸着または吸収して誤差が大きいときは、不活性ガスを使います。空気を用いるときは水分に注意します。

 

 

 

 

 

水分

 

粉粒体中に含まれる分離可能な水分子の量を、固体に対する質量比で示したものです。単位は〔%〕または〔-〕。


含水率とも呼ばれます。基本となっている定温乾燥法として,対象物質ごとに標準の方法がJIS(日本工業規格)やJAS(日本農林規格)などで定められています。例えばJISには,穀類で102~108゜C,土壌で105~110゜C,などと示されています。また,農産物検査法では農産物の水分の測定法が定められており,例えば玄米は105゜Cで5時間となっています。
表現する方法には、湿量基準(水分を除く前の総質量で水分量を割った値:wet base吉田工业科技)と乾量基準(水分を除いたあとの質量で水分量を割った値:dry base)の2種があり、一般的には前者、乾燥の分野では後者が用いられます。水分の値は、乾燥条件により差があり、また、結晶水を放出させるかどうかによって差が生まれます。温度を次第に上げていくことで得られる質量の変化(減量線)から水分とその物質との関係が分かります。

 

 

 

 

精度設計

 

工作品等の精度を管理するための設計法です。


一例を示します。精度(誤差)がδ1、δ2である部品を積み重ねるときに、この誤差の合計がδ1+δ2であるとする考え方(互換性の方法)と、(δ12+δ22)0.5であるとする考え方(不完全互換性の方法:統計的手法)があります。前者は、数が少ない生産で極力不良品を出さないという要求があるとき、後者は大量生産で不良品をある程度見込んでよいときに用いられます。実際の設計生産の現場では、こういった考え方を勘案して精度設計を行っています。

 

 

 

 

せん断特性

 

粉体層をせん断する時に働いている応力(荷重)の関係を特性として示したものです。


一般に粉体の内部摩擦の特性を指しますが、壁摩擦を含むこともあります。粉体層を形成する粒子間に加えられた力とそれによるせん断破壊との関係を内部摩擦特性と呼び、壁と粉体層との間のすべり摩擦特性を壁摩擦と呼びます。これらの特性などを詳しく測定し検討することで、貯槽内の粉体の流れおよび排出時の閉塞を予見する設計法がJenikeなどによって提案されています。粉体の挙動にはばらつきが大きいため、実際の設計には、十分な安全係数を考慮する必要があります。

 

 

 

ターボブロワ

 

遠心式送風機の一つで、集塵の吸引用としてよく使用されます。


低い濃度の空気輸送に利用されることもあります。圧力に対して流量が変化しやすいので、負荷として表れる大きな外乱がないことを前提に使用します。また、少風量で使用すると、サージングによって風量が大きく振れて振動騒音が生じ、運転に支障が出ることがあるので注意が必要です。

 

 

 

 

 比表面積

 

粉体の体積または質量あたりの表面積です。単位は〔1/m〕または〔m2/g〕。


体積基準としても、粒子の体積〔L3〕に対する表面積〔L2〕で単位は〔L-1〕となり、無次元でなく単位に依存します。工業的には、測りにくい体積でなく質量基準で示します。例えば、実際に吸着などに利用される活性炭などでは、比表面積1000-3000m2/g程度の値が一般的です。数万m2/gの値をとる物質もあります。球粒子を想定して単純に比表面積径(表面積が等しい球の直径)に換算すればnmまたはのオーダーになってしまいます。粒子径が実際に小さいわけではありませんから、これらの材料の比表面積には粒子の外表面ではなく細孔など内部の構造が大きく影響していることが分かります。

 

 

 

 付着・凝集

 

粉体とそれに接する装置等の材料から離れず、また粉体同士で離れなくなる現象です。


付着凝集力は、主に分子間力(ファンデルワールス力)によるもので、その力が粒子の自重に比べて大きい時に、付着凝集が発生します。これを防ぐには、桁違いに小さい凝集防止用の粒子を粉体の表面に付着させるなど多様な方法があります。他に、付着水分や静電気による付着凝集があります。

 

 

 

 

分級

 

粉体を物性の違い、主にサイズの違いによって分けることです。


液体または気体の流れの中で分ける流体分級とふるい分けが主な方法です。
流体分級では、粒子の終末沈降速度の違いによって分ける方法がほとんどです。ふるい分けには、ふるい網面に対して垂直方向の運動を伴うバイブレーティングスクリーンと、ふるい網面に対して水平方向に運動させる面内ふるい(シフタ)とがあります。
試験用のふるい網として目開きと線径を定めたJIS「日本吉田工业標準ふるい」がありますが、産業用にはさまざまな目開きと線径のふるい網が用いられます。どのようなふるい目を使っても、その目開きは一定ではなく製造過程などで生じる分布があります。"

 

 

 

 

粉体圧

 

粉体層内で粉体同士または外部に対して生じる圧力です。単位は〔Pa〕。


重力場における圧力は、液体では深さと密度に比例して増加しますが、粉体では貯槽壁面の摩擦によって上方に引き上げられる力が働く分だけ下方への圧力が低減されます。直立した円筒型貯槽内への投入時および粉体層が静置しているときは、深さ方向の圧力は次第に一定値に近づくヤンセン式が適用されます。ある程度以上の深さでは圧力が増加しないということです。一方、排出時など、貯槽内を粉体が移動する時は圧力の変動が激しく静置時の数倍となることがあります。貯槽の強度設計では、ヤンセン式に過大圧係数をかけた形で圧力の推定が行われます。静止時と移動時では大きく違うことに注意が必要です。

 

 

 

粉体層の

気体透過

 

粉体層内部を気体が通過することです。


この時に通過する気体の速度とそ流れが生じる圧力損失との関係を利用して、粉体層間の経路の大きさを算出し、さらにその粉体層を構成している粒子群の平均粒子径を計算することができます。この方法によって得られる粒子径を透過径と呼びます。

 

 

 

閉塞防止法―

貯槽内の

 

貯槽内の粉体層が排出せずにとどまる閉塞の現象を防止する方法です。


貯槽の形状を変える、②排出口径を大きくする、③貯槽内壁の材料を変えて壁摩擦特性を変化させる、④壁部分に振動などの力を加える、⑤貯槽内部の粉体を撹拌する、⑥粉体の特性を変化させる、⑦貯槽内での静置時間を短くする、などの対策があります。

 

 

 

偏析

 

粉体同士が粉体層内で相対的に移動し、物性の違いによって偏在してしまうことです。


偏析を生じる物性は粒子径、密度、粒子形状が主ですが、付着凝集性、帯電特性、反発性も影響することがあります。偏析させる運動には、滑り流れ、落下、振動、振動流動、流体流動、強制的な回転運動、飛翔、付着凝集、静電付着などがあります。
粉体設備
装置の計画時に偏析が認識されることが少なく、全く予測されていなかったトラブルとして事後に対策を施す例が多く存在します。

 

 

 

摩耗

 

粉体が関わる摩耗には、粉体そのものの摩耗と粉体が引き起こす摩耗があります。


粉体の摩耗はアトリッションと呼ばれ、製品の劣化および微粉の発生による環境の悪化を引き起します。一方、粉体による接触部材の摩耗は、装置の損傷、摩耗物の製品中への混入、摩耗物による環境悪化などの問題を引き起します。

 

 

 

摩耗―

粉体による

 

粉体が装置や配管に対して速度を持って接触することで生じさせる摩耗です。


粒子が相手の材料面に当たる角度と状況(下方から上の面に当てるときなど)によって摩耗量は異なり、材料の摩耗量は速度との関係で示されるのが一般的です。測定データによれば、摩耗量は速度の1~3乗の広い範囲で示されています。原理から考えると、ある閾値以下の低い速度ではほとんどまたは全く摩耗しないと考えられるため、速度のべき乗で概括的に整理するこの方法はあくまで便法と言えます。

 

 

 

摩耗ー

粒子の

 

粉体粒子が、ハンドリングされている間に摩耗することです。


日本語では適切な用語がなく、「粒子の摩耗」またはアトリションattritionと呼ばれます。粉化と呼ぶと粉砕に近いイメージになり、必ずしも適切ではありません。粒子の摩耗には、表面が剥がれるように削られる表層摩耗型と割れて小さくなる破砕摩耗型があります。粒子の摩耗は粒子同士または他の固体または流体と高速度で衝突させると発生します。その発生量は、相対速度の2~3乗程度に比例するとされます。また、接触している状態で力が加わっても生じます。これを防ぐには、粒子の移動速度を低くすること、加わる力を低くすること、接触させないことなどが求められます。

 

 

 

 

見かけ密度

 

粒子がその物質で構成されているとみなした見かけ上の真密度です。単位は〔kg/L〕。


粒子の内部に閉じられた空間があるときは、その存在を無視して測定した値となり、その粒子を構成する物質の本来の真密度より小さい値となります。この差を解消するには、内部の空間が外部に露出するように、粒子を粉砕するなどして、内部の空間を露出させてから測定する必要があります。
古くはかさ密度の意味で使うこともありましたが、現在では混同を避けるために使用されません。

 

 

 

 

粒子径

 

単一粒子の大きさまたはそれに変わる代表値です。単位は〔m〕。


幾何学的な大きさとしては、3次元(または投影した2次元)のサイズを測定し、計算によって代表値を求めます。3軸平均径、定方向径、等体積球相当径、定方向面積等分径、投影面積円相当径などがあります。
超微粉の場合は、直接的に幾何学的な値を求めることが困難であるため、レーザ照射に対する回折現象などを計測することによって測定されますが、係数を掛けて幾何学的な値に相当する測定値を示します。
また、幾何学的な値とは別に、液体中の沈降速度から求める沈降速度径、表面積から求める比表面積径、粉体層の透過圧力損失から求める空気透過径などがあります。これらは、粉体を扱う目的に応じて測定し用いられるものであり、幾何学的な粒子径とは異なる値になります。すなわち、利用目的ごとに便宜上の数値を粒子径と呼んでいることになります。

 

 

 

 

粒子径の分布

 

現実の全ての粒子群が持つ、粒子径の分布です。


その分布は頻度曲線または累積曲線(ふるい上、またはふるい下)で表しますが、曲線の近似式としては、主に対数正規分布、またはロジンラムラー分布(日本吉田工业統計学ではワイブル分布として知られている)の二つが用いられます。粉砕生成物等では後者が適用しやすいとされています。いずれにしても、実際の分布がそれらにぴったり合うということはなく、データ処理を簡便にするための近似的な分布です。

 

 

 

ルーツブロワ

 

容積式送風機の一つで、粉体の低圧式空気輸送によく使用される空気源です。


負荷(圧力)の変動に対して流量が変化しにくい特性を持っており、空気輸送では流れ状態の変化や外乱などによって生じる圧力損失のブレをある程度自律的に調整する作用を発揮します。小規模な空気輸送では、リングブロワがよく用いられます。